フリーゲーム紹介も17回目となりました。
これまで様々なジャンルのゲームを紹介してきたわけですが、ゲームの醍醐味とは何だと思いますか?
私はやはり現実で体験する事が不可能、あるいは困難な事を追体験できることだと思います。
例えば、ファンタジーの世界を旅したり、かわいい(かっこいい)異性と恋愛をしたり、戦国大名となって天下統一したりといった事ですね。
上記に挙げたのは大雑把な例ですが、他にも現実で体験が極めて困難な事と言えば……それはやはり「犯罪」でしょう。
ゲームによっては人間や生き物を射殺したり、斬殺したりという事もできますが、今回紹介するゲームはある意味より身近で生々しい犯罪である「窃盗」をテーマにした作品となっています。
今回、紹介するのは『盗人講座』。
「人の命と麻薬以外は盗んでよし!」という非常にロックな街を舞台にした犯罪系フリーゲームとなっています。
この記事がおススメな方
・犯罪(スリ)をテーマにしたフリーゲームを探している方。
・現実では犯罪をするつもりはないが、窃盗を追体験してみたい方。
概要
盗人講座
タイトル | 盗人講座 |
ジャンル | 短編RPG |
作者 | 中西 亘(敬称略) |
クリア時間 | 3~5時間程度(エンディングまで) |
備考 | インターネットコンテストパーク金賞受賞作 エンディング分岐有 『RPGツクール2000』RTPのインストールが必要 |
『盗人講座』単体では現在配布されていませんが、『RPGツクール2000』体験版の中に同梱されているゲーム集の中に『盗人講座』が入っているので、そちらから入手することができます。
以下が『盗人講座』をプレイするのに必要な『RPGツクール2000』のRTP(ランタイムパッケージ)のリンクとなります。
あらすじ
盗賊に憧れを抱いていたドナパルト王国の王子レットー。
彼は王国が滅びたのを機にトレドと名前を名乗り、盗賊の街「ミスト」で一人前の盗賊になるための講座を受けることとなる。
はたして、トレド(レットー)は講座を卒業し一人前の盗賊になれるのか!?
登場人物
トレド(レットー)
帝国に滅ぼされた王国の王子。
前から憧れていた盗賊になるため盗賊の街「ミスト」で盗人になるための講座を受講する。
アーサ
トレド(レットー)の護衛役の女剣士。
ミスト出身でありミストの人々ともかかわりがあったりする。
シートン
盗人講座の講師。
口は悪いが生徒達に実践を通じて一人前の盗賊になるための技術を叩きこんでくれる。
ミトン
ミストの街の情報屋。
とある事件でトレドと行動を共にする。
6人の記憶を呼び覚ますことができる特別な指輪を所持している
以下は、トレドと一緒に盗人講座を受けることになるクラスメイト達です。
皆、一癖も二癖もあるメンツが揃っています。
あと、クラスメイトにもスリを行う事が可能です。
マッコイ
トレドのクラスメイトの一人。
泥棒は泥棒でも「恋泥棒」を目指そうとしている。
カジェリ
トレドのクラスメイトの一人。
ミストの街を裏から牛耳ろうと企む野心家。
ジノ
トレドのクラスメイトの一人。
クラスメイトの中では最も年長でミスト在住の女性。
バタイ
トレドのクラスメイトの一人。
北方の遊牧民族出身で、窃盗技術の習得と人探しのために講座を受講している。
他にも魅力的な登場人物は多数登場します。
どのようなキャラクターが登場するかはプレイして確かめてみてください!
どんなゲーム?
『盗人講座』の肝である窃盗はどのようなものなのか?
カメラが捉えた犯行の一部始終をご覧ください!
「免罪符」を所持していると住人に話しかけた際に上記のような選択肢が出ます。
相手によってスリの成功率が異なるので、はじめは酔っ払いや街の外からやってきた旅人などを狙いましょう!
スリを行うと音楽が流れ、ウェイトが入ります。
成功するかどうか緊張の瞬間です。
スリが成功するとアイテムやお金が手に入ります。
また、スリが成功すれば次回以降のスリの成功確率も上昇します。
スリに失敗すると「免罪符」を取られてしまいます。
1枚につき50G必要なので割と痛い出費です。
次の講座に進む(シナリオを進める)には受講料を納金しなければいけません。
序盤から積極的にスリをしてお金を集めましょう!
また、お金が尽きて「免罪符」が買えなかったとしても、下のスクショのように街の親父の稽古の練習相手になることで(はした金ですが)バイト代を稼ぐことができます。
『盗人講座』の魅力
『盗人講座』の魅力は以下となります。
『盗人講座』の魅力
・個性豊かで魅力的なキャラクター
・徐々に明らかになる世界観
個性豊かで魅力的なキャラクター達
『盗人講座』の魅力としては自由に盗みが行える……というよりも、個性豊かで魅力的なキャラクター達でしょう。
主要キャラクター達のグラフィックは『RPGツクール2000』のデフォルト素材なのですが、どのキャラクターも非常にキャラが立っていて印象深いです。
モブの中にはRPGツクール2000のサンプルゲームの1つである『花嫁の冠』のキャラ素材が利用されていたりします。
現在では使用禁止ですが『盗人講座』が発表された時には流用可能でした。
上のスクショの男女は恋人どうしという事になっています。カインに嫁を寝取られているマイケル……。
ミストの街の外の盗賊達と繋がりがある講師のシートンや6人の人間の記憶を辿ることができる指輪をもつミトンなど普通にゲームを進めるだけでも主要キャラはキャラが立っているのでとても印象に残りますね。
また、キャラの内面を知るためにスポットライトが当たるのが『盗人講座』特有の「スリ」のシステムになります。
スリによってキャラクターの日記帳を盗み出し、そこに書かれていることを読み解くことで個々のキャラクターの内面やキャラどうしの関係性が解るようになっていますね。
普段、事務手続きをするだけの事務方の面々も日記を読めば内面が解り、より愛着が湧くのではないでしょうか?
個々の場面で時折モノクロの一枚絵が挿入されキャラクターが描かれます。
グラフィック上は『RPGツクール2000』のデフォルトキャラであっても、この一枚絵によって個々のキャラが『盗人講座』のキャラへと昇華しているように思いますね。
徐々に明らかになる世界観
『盗人講座』では直接的にはキャラの口から世界観について語られることはあまりありません。
世界観については本棚を漁って手に入る特別な本を特定の人物に渡すことで少しずつ解っていきます。
また、『盗人講座』では普通に進めているとノーマルエンドとなり、とある人物がどうしても命を失う事になっていまいます。
しかし、探索を進めたり、スリでアイテムを盗んで特定のイベントを進めていくことでグッドエンドに辿り着き大切な人を死なせずに済むことが可能です。
一人前の盗賊になるには盗みの技術以外にも開錠技術が必要。
鍵屋に「おにぎり」を渡すことで開錠を教えてもらうことが可能です。
鍵がかかっている扉を開けることができるようになり探索も捗ります。
ストーリーについて言えば、序盤はミストの街だけで話が完結していますが、物語が進むにつれて主人公トレドの祖国を滅ぼした帝国の圧力がミストにも向けられます。
最初は、自由を得たいと思って盗賊を目指していたトレドですが、生きるために窃盗を行うミストの街の人々を見て自分がいかに恵まれていたかと言う事を自覚します。
やがて、本格的に帝国の牙がミストに向けられるとトレドは自分の素性を明かし、帝国に対抗すべきだとミストの街の人々に主張します。
それを受けてミストの街の人々は培った窃盗技術で帝国に対抗しようと一致団結していくことになります。
その後、トレド達がどうなるのかは……ぜひ、プレイしてみて確かめてみてください!
『盗人講座』紹介まとめ
以上が『盗人講座』の紹介となります。
冒頭では犯罪系のフリーゲームと述べましたが、正直、犯罪に付きまとう背徳感というものはあまり感じられないような気がします。
窃盗のシステムはシンプルですし、スリが成功すれば後のスリの成功確率も上がっていきます。
序盤はともかくスリを重ねれば中盤・終盤はほぼ確実にスリが成功するので、正直あまり緊張感が無い……。
また、スリがバレても牢屋にぶち込まれたりボコボコにシバかれるというわけではありません。
「免罪符」を渡せば後腐れ無く終わります。
本格的な犯罪系のゲームを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。
やはり、盗みによって個々のキャラの内面が深彫りできたり、アイテムを手に入れてそれによって世界観が徐々に明らかになるというのが大きいですね。
あくまでも「盗み」が主体と言うよりも物語を引き立てるスパイス的な感じに思えますね。
『盗人講座』は短編のRPG作品という事であまり時間をとらず気軽にプレイすることができるので皆さんもこの機会にぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?
先に述べたように『盗人講座』単体では現在配布されていませんが、『RPGツクール2000』体験版の中に同梱されているゲーム集の中に『盗人講座』が入っているのでそちらから入手することができます。
以下が『盗人講座』をプレイするのに必要な『RPGツクール2000』のRTP(ランタイムパッケージ)のリンクとなります。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
ではでは(≧∇≦)ノ
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画像引用元:『盗人講座』本編
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・いらすとや
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