2024年7月5日(金)に映画『フェラーリ』が日本で公開されました。
日本でも高級車やスポーツカーの代名詞とも言えるイタリアの自動車メーカー「フェラーリ」ですが、その創業者の「エンツォ・フェラーリ」に焦点を当てた作品がこの『フェラーリ』。
私はモータースポーツに関する映画を定期的に見ていたりします。
昨年はレースゲームの好成績者を実際のレーサーに育成するという実話を元にしたドキュメンタリー映画『グランツーリスモ』を劇場で観賞しました。
また、4年半ほど前には今回の主役のフェラーリにフォードがレースで挑んだ実話を元にした『フォード vs フェラーリ』も見ましたね。
(ちょうど、新型コロナウイルスが騒がれはじめた頃だった記憶があります)
今回紹介する『フェラーリ』ももちろん映画館で視聴。
一見すると他のモータースポーツを題材にした映画のように「敗北を重ね後が無い会社やレーサーが努力の末、大一番のレースで勝利して名声をつかむ」という内容のようですが本当のところ内容はどうなのか?
この記事を読めば『フェラーリ』の魅力が分かります。
この記事がおススメな方
・映画『フェラーリ』の魅力が気になる方。
注意
・人によってはネタバレと感じる記載があるかもしれませんので記事を閲覧の際はご注意ください。
概要
フェラーリ
タイトル | フェラーリ |
---|---|
公開日 | 2024年7月5日(金) |
上映時間 | 132分 |
監督・脚本 | マイケル・マン |
キャスト | マイケル・ドライバー、ペネロペ・クルス、シェイリーン・ウッドリー 外 |
『フェラーリ』あらすじ
フェラーリ社を創立しイタリア自動車界で名声を轟かせていたエンツォ・フェラーリ。
しかし、息子の死去、それに伴う妻との関係の冷え込み、そして、会社の経営危機と相次ぐ困難に見舞われる。
彼は会社の命運をかけてイタリアの公道レース「ミッレミリア」に挑むのだった。
『フェラーリ』登場人物
エンツォ・フェラーリ
フェラーリ社を創設したイタリア自動車界のレジェンド。
しかし、映画『フェラーリ』ではあらゆる困難に見舞われることになる。
ラウラ・フェラーリ
フェラーリ社の共同経営者でもあるエンツォの妻。
息子を失い、エンツォとの関係も冷え切っている。
リナ・ラルディ
エンツォの愛人。
彼に認知されていない息子のピエロがいる。
デ・ポルターゴ
エンツォのチームに所属し「ミッレミリア」に挑む若きレーサー。
女優の恋人がいる。
『フェラーリ』の魅力
『フェラーリ』の魅力については以下のような点です。
『フェラーリ』の魅力
・複雑な人間模様とそこから巻き起こる愛憎劇
複雑な人間模様とそこから巻き起こる愛憎劇
『フェラーリ』はレース界で名声を得たエンツォ・フェラーリを題材としている事から熱いレース模様がウリ……というわけでなく、彼を取り巻く複雑な人間模様とそこから巻き起こる愛憎劇が見どころになっています。
主人公のエンツォはフェラーリ社の共同経営者でもある妻のラウラとの間にもうけた子供を1年前に喪っており、彼女との関係は冷めきっています。
それだけにとどまらず、彼にはラウラとは別に愛人がおり、その愛人との間にも子どもがいます。
さらに、ラウラ自身は隠し子がいる事を物語の中盤あたりまで知らないという……。
(エンツォに愛人がいること自体は勘づいていました)
長男が死去してから愛人と子供をもうけているのかと思いきや、この作品の時点で隠し子のピエロは12歳ということ。
長男が闘病している時に別の女性と家庭を築いていたとなるとラウラの怒りも理解できます。
会社の経営危機は必ずしもエンツォだけのせいではないのでしょうが、女性関係についてはまさに「自業自得」や「身から出た錆」という言葉が似合うような気がします。
女性関係に関してはお国柄の面もあるので、日本人的な価値観でとやかく言うのは的外れなのかもしれませんが……。
一応、隠し子がいたことはフェラーリ家の人間にフェラーリ社を継がせるという点においてはプラスには働いています。
エンツォの母親は跡継ぎの関係から彼が愛人との間に子供をもうけていた事は知っていながらも黙認していました。
最後にはエンツォとラウラは和解し……というわけでなく、ラウラが死去し、ピエロがフェラーリ社の最高経営者になったことがテロップで明らかになって物語はエンドとなります。
ラウラがまさかの「ナレ死」で片づけられてしまうという……。
まぁ、あそこから和解にもっていくのはどんな物語でも無理がある展開ですし、ましてやノンフィクションなら言わずもがな……。
エンツォとラウラが和解する事なく彼女がナレ死で済まされることと言い、レースで起きた事故の対応に焦点が当たりフェラーリが勝ったのかどうかもイマイチ分からないなど物語に爽快な余韻というものがあまり無いのが気になりました。
悲しいけど、これが現実なのよね。
『フェラーリ』徹底レビューまとめ
以上が、『フェラーリ』レビューとなります。
『フォード VS フェラーリ』や『グランツーリスモ』で描かれたような「努力の末にレースに勝利する爽快感」というものを期待して観賞すると肩透かしを食らうかもしれません。
一応、フェラーリチームはレースには勝利したようですが、それをかき消すほど起こった事故の被害が大きすぎる……。
(フェラーリ車自体には落ち度が無く、事故後に事故についての責任は無い事が証明されています)
フェラーリ社の歴史に詳しい方なら「フェラーリ……ミッレミリア……あっ(察し)……」となるんでしょうが、私のような全く知識が無い人からして見れば青天の霹靂でした。
一応、『フォード VS フェラーリ』はミッレミリアの事故から10年程後の話で、そこではフォードのライバルとして立ちはだかったので会社として立ち直ってはいるようです。
どちらかと言うとレースに焦点を当てているというよりは人間模様を描いていると言えますね。
男女関係もテーマの1つなので作品内で男女の交わり(意味深)を匂わせている場面も多いです。
それが原因でPG12に指定されたのかと思っていましたが、最後のミッレミリアの事故のシーンでは胴体が寸断された遺体や人間のちぎれた腕のみが映る場面があったため「あー、こっちが本当の原因なのかな?」と思ったり……。
(おそらく、両方が影響して映画の観賞対象年齢が上がったのでしょうが……)
さて、速さや順位を競うのは生身の人間が走る陸上競技とかもありますが、やはり、モータースポーツが一番映画映えしますね。
実際に車を操るドライバーだけでなく、技術者にもスポットライトを当てることができますし、レーシングカー自体が会社の製品のプロモーションの役割を果たしていると考えると企業の経営方針といったことも無視できません。
映画を面白くさせるような色々な要素を盛り込むことができるのが魅力です。
定期的に面白そうなモータースポーツを題材にした映画が配給されるので今後もそのような映画が公開されましたら映画館に足を運んで皆さんに魅力が伝わるようなレビュー記事を作成したいと考えています。
「自分も映画『フェラーリ』を見た」という方や「他にも面白いモータースポーツの映画があるよ」という方はコメント欄に書いていただけると幸いです。
また、以前にも映画レビューを投稿していますのでそちらもよろしければどうぞ!
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
ではでは(≧∇≦)ノ
次回記事:
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