フリーゲーム紹介も早いもので第5回。
今まで主にオリジナルのフリーゲームやサンプルゲームを紹介してきました。
一方、二次創作として作られたフリーゲームも存在します。
その中でも今回は一大ムーブメントを巻き起こしたフリーゲームを紹介したいと思います。
今回、紹介するのは『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』(通称、『のびハザ』)です。
フリーゲームに興味がある方ならプレイしたことが無くてもタイトルだけは聞いたことがあるのではないでしょうか?
この記事がおススメな方
・『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』の魅力が知りたい方。
・フリーゲームの2Dシューティングゲーム、ホラーゲームの探している方。
この記事をおススメしない方
・原作漫画、アニメの『ドラえもん』のイメージを壊したくない方。
・グロ、流血描写、ホラーが苦手な方。
概要
ドラえもん のび太のBIOHAZARD
タイトル | ドラえもん のび太のBIOHAZARD |
ジャンル | 2Dシューティング |
作者 | aaa(敬称略) |
クリア時間 | 2・3時間程度 (謎解きに詰まればもっとかかる可能性も……) |
備考 | 『RPGツクール2000』RTPのインストールが必要 グロ、流血描写あり 2週目あり |
アングラコンテンツなためリンクは貼っておりません。
お手数ですが、ゲームファイルはご自身で探していただければと思います。
(今からプレイするならリマスター版がおススメです)
以下が『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』をプレイするのに必要な『RPGツクール2000』のRTP(ランタイムパッケージ)のリンクとなります。
あらすじ
ドラえもんや友達と楽しい夏休みを過ごしたのび太。
しかし、突如のび太の街はゾンビあふれる死の世界へと変貌してしまう。
命からがら学校に逃げ込んだのび太は友達や他の生存者と共に街から脱出するため学校を探索することになるが……。
登場人物
『ドラえもん』の登場人物は『ドラえもん』の公式サイトをどうぞ!
(あまり、あてにならないような気もしますが……)
以下のキャラクターは『のびハザ』オリジナルキャラクターです。
のび太の活躍によっては最後まで生き残るキャラクターもいますが、どう足掻いても助けられないキャラクターもいたりします。
緑川 聖奈
のび太の学校の生徒会長を務める女の子。
テニス部の部長でもあります。
『のびハザ』シリーズと言えば彼女の印象が強いですね。
翁蛾 健治
見た目が不良の男の子。
命からがらび太達の学校に逃れてきた。
実はピアノが得意という一面があります。
山田 太郎
両親を失い命からがら逃げてきた生存者。
健治に懐き、彼と行動していることが多いです。
金田 正宗
妻と娘を目の前で殺され命からがらのび太達の学校に逃げてきた自治会長。
のび太達が学校を探索しようとする中、頑なに保健室に引きこもろうとします。
あっ……(察し)
どんなゲーム?
ドラえもんや友達との楽しい夏休みのバカンスから帰ってきたのび太……。
だが、のび太達が不在の間、町には突如現れたゾンビ達がうごめいていた。
命からがら何とか逃げ延びようとするが……。
逃げ延びた先の学校にはのび太の友達を含む生存者の姿が!
この後、ゾンビ発生の真相解明と街からの脱出のために学校内を探索することになる。
(約1名を除く)
『のびハザ』の魅力
『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』の魅力は以下となります。
『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』の魅力
・2Dのシューティングゲームとしての質の高さ
・幅広い『ドラえもん』キャラや魅力的なオリジナルキャラクター達
2Dのシューティングゲームとしての質の高さ
『のびハザ』が「『BIOHAZARD』を『ドラえもん』のキャラクターで再現した」というただの一発ネタで終わらず、数多くの改造版や派生作品が生み出されたのはひとえに2Dシューティングゲームとしての出来が良かったからだと思います。
シフトキーで銃を構えてスペースキーで敵に向かって発砲!。
銃を構えると移動速度が低下するので下手に応戦すれば、ゾンビの集団にリンチされてそのまま死を迎えることも多々あります。
基本的に弾薬も有限なので一部イベント以外の雑魚ゾンビとはなるべく戦わず逃走するのが得策ですね。
ハンドガンよりもジョットガンの方が威力は高いですが手に入る弾薬の量が少ないです。
そこら辺の雑魚ゾンビに強力な武器を使用しているとボス戦で手詰まりになる可能性があります。
また、ゾンビの他にB.O.W.と呼ばれる生物兵器とも戦うことになります。
B.O.W.は雑魚としても各場所に出現する他、要所要所のボスとしてのび太の前に立ちはだかることに……。
ナイフやハンドガンといった低威力の武器では苦戦は免れないので、なるべく強力な武器の弾薬は温存しておきたいところですね。
天井からのっそりと現れるB.O.W.。
『のびハザ』では随所にこういった一枚絵でクリーチャー等が表現されたりします。
幅広い『ドラえもん』キャラや魅力的なオリジナルキャラクター達
『のびハザ』は『ドラえもん』の二次創作ゲームなので、もちろん『ドラえもん』のキャラクターも登場します。
大長編や劇場版で一緒に旅をするいつものメンツを始め、少しマイナー寄りの『ドラえもん』キャラも出てきますね。
こうして見ると『のびハザ』の原作者様がかなりの『ドラえもん』好きだということが分かります。
また、『のびハザ』オリジナルキャラクターも魅力的です。
特にヒロインポジションの「緑川 聖奈」は『のびハザ』の顔とも言える存在となっていますね。
『のびハザ』オリジナルキャラクターの「緑川 聖奈」を操作する場面もあります。
はたして彼女は生き残ることができるのか?
二次創作に登場するオリジナルキャラクターは俗にいう「メアリー・スー」化することが多いですが、『のびハザ』のオリキャラはあくまでも事件に巻き込まれた一般人という扱いです。
ただ、基本的に探索はのび太一人で行うので、他のキャラクターとの掛け合いはそこまで無いのが少し残念ですね。
また、『ドラえもん』キャラや『のびハザ』オリジナルキャラクターはストーリー中でピンチに陥ることもありますが、のび太の活躍によって助けることも可能です。
逆に言うと、ヘマをすればそのまま死んでしまいますが……。
しかし、漫画やアニメの『ドラえもん』の要素はあまりありません。
のび太はゾンビを躊躇なく銃で撃ちますし、弱音を吐くことはあまり無いハードボイルドなキャラになっております。
一方のドラえもんは頼りにならないというか、そもそも本作ではのび太と行動を共にしません。
しかも、ドラえもんは……おっと、何でもありませんよ。
『ドラえもん』名物の「ひみつ道具」も全くと言っていいほど出てきません。
(強いて挙げるならオープニングの「どこでもドア」ぐらいです)
のび太がドラえもんやひみつ道具に頼ることなく己の射撃の腕だけでゾンビやB.O.Wと戦っていきます。
のび太はいつも道具や他人に頼ってケシカラン!
『ドラえもん』に対してこういうイメージをもっている方にはうってつけの作品かもしれません。
のび太の家の洗濯物入れの中から「ハンドガンの弾」を発見。
なぜ、のび太の家にハンドガンの弾があるのかは知りません。
ただ、『のびハザ』がネット界隈で受け、本家『のびハザ』を元にした派生作品や改造版が多数生み出されたのは原作漫画やアニメ『ドラえもん』とのギャップが大きかったというのも一因だと思いますね。
なぜ『ドラえもん』なのか?
『ドラえもん』のキャラクターである必要がなければ『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』のキャラクターを題材にしてもいいはず。
しかし、なぜあえて『ドラえもん』のキャラクターを使ったのでしょうか?
(二次創作で「これ〇〇のキャラでする必要ある?」と言うのは野暮だというのは重々承知ですが……)
ざっと考えると、以下の理由が考えられますね。
作者様が題材に『ドラえもん』を選んだ理由
・のび太は射撃が得意だから。
・劇場版や大長編で様々な世界を旅しているから。
また、『のびハザ』が作られた時期のネットでの流行も大いに関係しているのではないでしょうか?
『のびハザ』が世に出された当時、ネット文化で代表的だったものが「Flash動画」、「ネット掲示板」(2ちゃんねる)、そして「RPGツクール」と(私が勝手に)考えています。
これらは独立したわけでなく、それぞれ相互に影響しあっていたようですね。
(『のびハザ』が発表されたのも「2ちゃんねる」とのことです)
2000年代のFlash動画では『ドラえもん』を題材にした作品がたくさん作られていました。
代表的なのが以下の作品ですね。
作者様も『ドラえもん』キャラをネタにしていた当時のネット文化の潮流を受けてこの『のびハザ』を制作されたのではないでしょうか?
当時、私はそこまでネット文化にどっぷり浸かっていたわけでないのであくまで推測の域を出ませんが、もしこの当時のネット界隈について詳しい方がおられたらコメント等していただければありがたいです。
『のびハザ』紹介まとめ
以上が『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』の紹介となります。
昔、ニコニコ動画で『のびハザ』の実況プレイ動画を見たことが『のびハザ』を知ったきっかけでしたね。
(『のびハザ』と言えば某youtuberのイメージが強いですが、私は別の実況者の動画を見てました)
これが私の初実況プレイ動画視聴でした。
話は少し変わりますが、2018年ごろにニコ動やYoutubeに投稿されている『のびハザ』のプレイ動画が小学館(『ドラえもん』の版権元)の申し立てによって一斉削除されているようですね。
理由は諸説あるようですが、要するに「表に出すぎた」からのようです。
『のびハザ』自体はゲーム内で『ドラえもん』のキャラがゾンビ化したり、殺されたりという事があるので版権元としてはあまり好ましいものではないのでしょう。
これは(私も含めて)肝に銘じておいた方が良いですね。
さて、話を戻しますと、いざ自分でプレイしてみると2Dシューティングのゲームとしての出来の良さに驚きますね。
『RPGツクール2000』はRPG以外も作れると言われていますが、こんなシューティングゲームを制作してしまう作者様にはまさに脱帽するしかありません。
皆さんもぜひプレイしてみてはいかがでしょうか?
ただ、あくまでもアングラ系の二次創作ですし、前述のプレイ動画の一斉削除もありますので『ドラえもん』と『BIOHAZARD』の版権元(特に『ドラえもん』)の迷惑にならないようにしましょう。
『のびハザ』を楽しむ際のマナー
・版権元のTwitter等へのリプライで『のびハザ』について言及しない。
・『のびハザ』と関係のない『ドラえもん』、『BIOHAZARD』コミュニティで『のびハザ』の話を持ち出さない。
つまり、個人でこっそりと楽しみましょうねということです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
ではでは(≧∇≦)ノ
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画像引用元:『ドラえもん のび太のBIOHAZARD』本編
サムネイル画像:
・いらすとや
・ぱくたそ
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